十二単の着付け講座
2月25日(土)、福岡(高岡市)の「雅楽の館」で、「十二単の着付け講座」が行われた。昨年の何時だったか(ずいぶん前だったと思う)、新聞にこの行事があると載っていた。 何となく興味があったので、手帳に書き留めておいた。
ずいぶん経つし、本当なのか心配だったので「雅楽の館」へ問い合わせた所、あるという事だった。
誰を誘うか・・・。 着付け教室に通い、師範の免許も取得している kus さんが一番興味があるのではないかと誘った。 快諾。
講座は、pm1:30 からなのに、11:00 福岡ミゼカメラ館の駐車場で待ち合わせ。相変わらず、ランチから・・・。
これについては後日改めて・・。
畳を2枚重ねて、舞台になる。 すでに、衣装は着付けの順に重ねて置いてある。
お客さんの席は座布団。 すばやく、足を投げ出してもいいように、一番前の端に陣取る。
大垂髪(おすべらかし)に白の単衣、赤の長袴のモデルさん。
赤い色はミス。ミセスになったら、深い色になるそうですよ。
モデルさんは、新湊の方だそうで、上品で美しい。
着付けをする方が3人。前担当が1人。後ろ担当が2人。着付けをする人を「衣紋者(えもんじゃ)」。 前衣紋者、後ろ衣紋者。 本当は、後ろ衣紋者の方が格が上なのだそうですが、前は着付けが難しいので、東京からこのために来られた先生が担当される。
衣紋者の方は、無地の一つ紋。格調高い帯を少しの形がりもなく、四角くきりりとしめて。 正式には、白袴を着けるのだそうですよ。
身分の高い方に失礼が無いように、膝をついて移動し、立たないことが原則。 今日は、略式で立っておられる時もありました。
まづは若草色の単衣。 襟を見てください。持ち出しが付いています。これで、もっとたくさん着ているように見えますし、重ねるにしたがって、下の方で襟を合わせますので、たっぷりないと綺麗な着付けが出来ないのでしょう。
後ろにも前にもタックを取りながら、紐で縛ります。次のものを着たら、前の紐を取ります。
薄い色から順に5枚、グラデーションに襟が少しずつ見えるように重ねます。これを、「五衣(いつつぎぬ)」といいます。
色に意味合いを込めて重ねたり、季節で色を考えたり・・・
濃淡のグラデーションは、『紅の香り』、白が入っているものを、『薄様(うすよう)』など、組み合わせで名前が付いているのです。
白に模様のものを、「表衣(うわぎ)」。 この衣装は、大河ドラマ『篤姫』のとき、皇女和宮になった、堀北真紀ちゃんが来ていたものだとか。記憶にある人もあるでしょう。
その上に羽織るのが、「唐衣(からぎぬ)」。
謡の本によく出てきます。「からころも」とも載っています。
最後に、「裳(も)」をつけます。最終的に、この紐だけが残ります。
紐を「小腰(ここし)」 結び方を、「掛緒結び(かけおむすび)」
持っているのは、「檜扇(ひおおぎ)」。 檜で作られた扇に、六色の絹の紐が巻いてあります。開かないで持つそうなのですが、お雛様のは、たいがい開いていますね。
これで完成 !!!
後ろから見る事はないですね。
冠は、「釵子(さいし・・釵の字は、かんざし)」。蛍光灯の紐が、じゃまです。着付けの間も、モデルさんの顔に当たって気の毒でした。
襟元をよく見てください。 「十二単」になっていますか。必ずしも、12枚重ねるわけではないそうです。
「衣装は重いのですよ。運ぶのに一人で持とうと思ったら持てませんでした」と、説明してくれた先生。 「重いですか」と声をかけると、にっこり微笑んで、かすかにうなずかれました。 着付けの先生は、「御方様」と声をかけておられます。
高貴な方にふさわしいモデルさんでした。
最後に薀蓄(うんちく)を一つ。
十二単は、多くの衣が組み合わされて全体で一つの装束となる。 また、正式のは、「五衣・唐衣・裳」と呼ばれている。
バックグランドミュージックに、雅楽の演奏もありました。
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